情熱大陸×水瀬伊織

タイトルを見て、目を疑った。
もう、それは存在しないはずのものだったからだ。

主コメを見て絶句した。
衝撃で何かが喉の奥へと押しかえされた。


 「淫の蘭Pへ、
  そしてその作品(sm3891646&sm11887474)への
  限りない敬意を込めて。
  あなたの動画がきっかけで、私はニコマスPになりました。
  本当にありがとう。」


朗読Pだった。



オレが、淫の蘭Pの情熱大陸で好きなのは
ドキュメンタリー形式を取っている所だ。
「アイドル」のイメージからは遠くかけ離れた
ごく普通の少女とコミュニケーションをする、
これがアイマスというゲームの本質だ。
ただし、素の彼女の姿はファンには内緒。
Pとアイドルの二人だけの秘密だ。


それを覆したのが「情熱大陸」だと思う。
この番組は
等身大の彼女をファンに視聴者にさらけ出す前提で
撮影されている。
彼女たちはたくさんの美点を胸のうちに秘めている。
そのことはPとツーカーでわかりあえていればよかった。
しかしドキュメンタリー番組となると、それだけでは許されない。
彼女の素晴らしさを、可能性を、
アイドルとして成功した正当な理由を
モニターの向こうに居る皆に、
特にアイマスを知らない皆に納得してもらわなければならない。
そのための言葉選び、構成、絵、表情。全てが的確であることに
淫の蘭Pの凄まじさを感じる。
「オレのアイドル、こんなにスゴイんだぜ」
Pの誰もがいうこのセリフを、
ここまで念の入ったレベルで語れるPはきっとそう居ない。
もう、会えないかも。そんな諦めさえあった。



会えた。


朗読Pだった。



彼のアイドルは水瀬伊織だった。
彼が語る伊織像も
淫の蘭Pリスペクトに相応しい、素晴らしい出来だった。
しかし、彼の言及は伊織に留まらなかった。
なんとアイマスプロジェクトの本質に迫ったのである。
番組中盤に映るコンサートの風景、
あれはバンナムの公式ライブをイメージしたものだろう。
観客席に居るのは我々なのだ。
P達がライブに赴く理由、
それはP達の間でわかっていればよかったのだが、
朗読Pはそれをさらけ出した。
我々は何故、1ゲームという枠に収まらない
アイマスプロジェクトというものと
共に歩んでいるのか。
窪田氏のナレーションを巧みに紡いで見事に説明しきった。
その後に流れるCMにおいてテロップ表示される、
アケマスへの感謝の言葉も無関係ではあるまい。


後半は未来について語られる。
これまで、アイマスガールズの先頭に立ち引っ張ってきたのは伊織だ。
(春香と美希には悪いがオレにはそう見える。)
やっかいな性格である伊織だが、彼女についていけば間違いなかった。
そして今、プロジェクトは2に向けて大きく躍進する。
ステージで「私はアイドル」を歌う伊織の、
自信タップリにそそり立つ2本の眉を見たとき、
成功を信じれる。そう、思った。
実際、2の目玉の一つであろう新要素、
ライバルユニット「竜宮小町」のなかに彼女の姿があった。
実質的なリーダーとなり、牽引役を引き受けるのは…
きっと伊織だ。



最後に。
淫の蘭Pの引退(復帰を期待しているが…)宣言から
3週間足らずでこの作品は完成に至っている。
内容の質、ボリュームからすると驚くべきスピードである。
これこそ朗読Pの「情熱」の賜物であろう。
主コメによると、
情熱大陸×水瀬伊織」の製作にあたり
数多くの協力があったとのこと。
朗読Pと周囲の皆さんにスポットを当てた
情熱大陸」が是非、視たい。



『誰かの夢が実現して
 それがまた、誰かの夢を生んだ。
 たぶん、
 人間とはそういう風にして
 成長するものなんだ』


    淫の蘭P「情熱大陸×如月千早」より



それでは、また。